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2011年6月27日 (月)

いよいよ、よく生きる

A welcome rain

 父がいつもいる席にいないので部屋を見渡したら手を上げて合図してくれた。いつか僕のことがわからない日がくるのではないか、と怖れていたこともあったが、この頃は入所した頃よりも調子がいいくらいで、もう今はない「家」へ帰るというようなこともいわなくなった。「今日は外は暑いのか」とたずねる。中はエアコンがよく効いていた。冬と変わず何枚も服を重ねて着ていたので驚く。
 週末、父のところに会いに行くたびにゆっくり話そうと思うのに、いざ顔を合わせると話すことが思いつかず、思っていたほど話せず帰ってしまう。
 プラトンは「大切なことはただ生きることではなく、よく生きることだ」と対話篇の中でソクラテスに語らせている。よく生きるどころか、生きることそれ自体が困難になってきた今こそ、余計によく生きることがどういうことか真剣に考えなければならなくなった。

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コメント

久しぶりに井上雄彦のコミック「バガボンド」を読みました。
画もすばらしいですが、セリフも心うたれます。
「過去は過去、今日のお前は今日つくるんだよ」
「違う、上手くやろうとなぞるんじゃない。
 百回でも千回でも初めてのように
 何も持たない赤ん坊のように」
「この世に強い人なんておらん。
 強くあろうとする人、おるのはそれだけじゃ」
これ、主人公の宮本武蔵ではなく、
他の登場人物のセリフです。
私は上手くは生きられませんが
自分を大事に生きてみようと思えてきます。

投稿: ちばちゃん | 2011年7月10日 (日) 23時17分

よく生きるとは、なんぞや。
精神性のものか、行動を伴うことなのか。
言葉にすると難しい。
それでも、言葉にすることで他に伝わることがたくさんある。


「ものの捉え方」なら腑に落ちる。

「どうせいつか死ぬのだから」
「せっかく生きているのだから」

これだけでもずいぶん違うがありそうだ。

タダイキルだけでなく、ヨクイキル、か。
深すぎる.....。

投稿: 536 | 2011年7月13日 (水) 13時10分

ちばちゃんさん
 「バガボンド」を熱心に読んだことがありました。上手でなくても、真剣に生きたいといつも思っています。

投稿: 岸見一郎 | 2011年7月13日 (水) 17時46分

536さん
 プラトンが対話篇の中でソクラテスに「ただ生きるのではなく、よく生きることが大切だ」と語らせています。どんな状況でも人は自由でいられます。生きることが困難であればいっそう毎日を丁寧に生きたいと思います。見方という以上に行動も伴います。

投稿: 岸見一郎 | 2011年7月13日 (水) 17時49分

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