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2010年11月 6日 (土)

六十年前のこと

Enjoy a quiet afternoon

 父が昨日療養棟を変わったので様子を見に行った。「おや、久しぶり」といわれたが、
そんなことはないんだけど、と返したら、「寝てたんか」という。一階から二階に移ったことがわかってなかった。「ここにいても退屈や。帰りたいわ」としきりにいうが、父が帰りたいという姉小路の家はもうない。あの家から結婚して出ていったではないか。いつ? 六十年前。そういうと笑う。個室から四人部屋へ変わったことについても「夜は寝たらなんもわからへん」と問題にしていないようでよかった。
 昨日『介護のための心理学入門』(仮題)を書き上げた。父のことを書くことは思いの外つらく、なかなか思うように書くことができず、何度も中断した。しかし、こんな機会を得られたおかげで、端的にいえば父のおかげで、老いや病、死についていっそう深く考えることができた。おそらくはこれまでの生涯で父と今ほど真摯に向き合ったことがなかったからではないかと思う。

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