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2010年7月 1日 (木)

忘れ物

 原稿の締切に追われ、父のところへ行くのを一日遅らせた。昨日は暑かったから延ばしてよかったと思ったが、今日の方が暑かったのかもしれない。駅を下りて、タクシーに。何人かの運転手さんたちとはもう顔なじみなので行き先をいわなくても連れていってもらえる。
 父は部屋で寝ていた。夜、眠れなくってなあ。それは無理だろう、昼間、ここで寝てるようでは。おやつの後、部屋で寝ているようだ。家にいた時と同じといえば同じだが。「ああ、向こうの家に郵便物が届いていたら、持っていてくれないか。私が入院していることを誰にも知らせてないから、誰かから届いているかもしれない」という。父宛の郵便物は全部僕のところへ届くように手配してある。「入院」していると思っているのだ。もう骨折の痛みはないようで、そろそろコルセットを外せるだろう。その時、退院のことが話題になるだろう。
 帰りはいつもは歩くのだが、30分この暑さの中歩いて倒れるわけにいかないのでタクシーを呼んだ。駅で降りてすぐに二つある一つの鞄を車内に置き忘れたことを思い出した。幸い、電話をしたらほどなく届けてもらえたのだが、あの鞄がもし二度と出てこなかったら何を失ったのだろう、と考えた。父の服。これは何とかなる。原稿。これは困る。大いに困る。もう一度プリントアウトすればいいようなものだが、ボールペンで書き込んだものは再現できない。本。鞄の中に入れていたのは、『第四人称』外山滋比古、『頼藤和寛の人生応援団』(頼藤和寛)、『死の文化を豊かに』(徳永進)、『先生とわたし』(四方田犬彦)。

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