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2010年6月10日 (木)

お前がいるから

 夜中にあれこれ考えが頭に浮かび、横になったままiPhoneのエディタを使って書き留めた。これなら起き上がってコンピュータを使ったらよかったと思うくらい。朝になって忘れるようなアイディアはたいしたものではないという人もあるが、一度逃したら二度と現れないものもたしかにある。以前はこんな時、紙に書きつけていた。朝になって自分の書いたものなのに読めなくて残念な思いがしたが、今はその心配はない。
 父に会いに行ってもいつも寝ていて、起こす勇気もなく(勇気ではないか)帰ることが続いた。行っても覚えてないから、と思ってもみるが、そして実際僕がきたことを父は覚えていないかもしれないが、会うのと会わないのでは違うだろう。いつか、家にいた頃、食事の時間以外は寝ているので、僕がきても意味がないといったら、そんなことはない、お前がいるから安心して寝られるんだ、といわれ驚いたことがあった。
 三年前にバイパス手術を受けることになった時、父が電話をしてきていった。退院の日、車を出すから、と。車で僕の家まで送る、というのである。結果的には父の助けを借りずに、電車で帰ってしまい、退院したことを帰ってから伝えたところ、ひどく落胆した様子が電話の向こうから伝わってきた。父は僕の病気のことを今では覚えていないが、僕が弱っていた時父は力が漲っていた。しっかりしなければ、と思ったのかもしれない。
 毎日、父のところにきて仕事をしている。梅雨入り前の快適な日々。

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コメント

お父様が施設に入所されて、以前とは違う生活になっても、それが全て終わりではなくいつも気になってしまう気持ちがよくわかります。
義母が亡くなった今、大きな忘れ物をしているような時があります。

投稿: おりひめ | 2010年6月10日 (木) 20時00分

 父がいないのに毎日父のところに行っています。昼、一人で食べてもなんだかつまらないです。

投稿: 岸見一郎 | 2010年6月10日 (木) 21時30分

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