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2010年4月 9日 (金)

『アドラー心理学 シンプルな幸福論』

Blowing in the comfortable wind.

 父が二泊三日のショートステイから帰ってきた。少し疲れているようには見えたが、記録によると、夜も寝られなかったわけではないようで、帰ってすぐに出した夕食も間食し、床についた。長くショートステイに行ったことで怒ってはいないか心配したが、常と変わらぬ様子で帰ってきて安堵した。
 僕の方はこの間たまりにたまった事務仕事をかなり片付けることができた。
 昨日は出版社から『アドラー心理学 シンプルな幸福論』が届いた。今日刊行された。KKベストセラーズからは1999年の9月に『アドラー心理学入門』を出版し、ロングセラーになった。長い歳月を経て、第二弾を出すことができたわけだ。確実に、この間学んだことが反映されていて、微妙に、あるいは顕著に前著との違いを読み取ってもらえるかと思う。
 次は、NHK出版から『アドラー 人生を生き抜く心理学』を刊行する。これも今月の出版である。時期はたまたま重なったが、内容はほとんど重ならない。いずれもアドラー心理学についての本であるという共通項は当然あるわけだが。こちらも校正はすみ、担当編集者の尽力は続いているはずだが、著者からは手が離れた。
 そういうわけで今の気持ちとしては、この写真のひよどりのように、枝にしがみついているというより、力を抜いて風に吹かれている。
 5月に刊行予定のアドラーの『人生の意味の心理学(上)』は初校をすませた。目下、下巻の校正と巻末の解説原稿を書いている。

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コメント

amazonから発送のお知らせが来ました。楽しみにしています。

投稿: hanayuki | 2010年4月11日 (日) 00時07分

 hanayukiさん、ありがとうございます。ご感想などお聞かせいただけたらうれしいです。気になって日に何度もamazonをチェックしています。

投稿: 岸見一郎 | 2010年4月11日 (日) 09時56分

今日アドラー心理学シンプルな幸福論届きました。
もう一冊アドラー心理学入門も購入しました。
 
私は日本の四季が大好きです。
いつも自然は私に生命力を与えてくれます。
ふと自然から学ぶ事が いくつもあります。
鳥や季節の花素敵です。

投稿: 鈴木由香 | 2010年4月11日 (日) 12時27分

鈴木さん
 ありがとうございます。今は子どもが無事に訪問先に着いたかどうか、心配だった時のような気持ちです。
 田舎に生まれ育ったのに、自然に目を向けることが近年まであまりなかったのです。今は遅れを取り戻している気がします。

投稿: 岸見一郎 | 2010年4月11日 (日) 12時43分

こんにちは。

人と接する中でネガティブな感情を持ってしまう時、落ち込んだ時などにどうしたらよいかという、何か答えのようなものを本に求めて書店で心理学とか哲学とかのコーナーによく立ち寄りました。もちろん専門書ではなく一般向けの読みやすいものです。ユングの考え方を述べてあるのが私には分かりやすいのかなと思った時もありました。

アドラー心理学を知ったのは10年以上、もっと前だったかもしれません。小学校教師をしている友人と話す中で出てきたその単語は人の名だということも知らないままだったと記憶しています。近所の書店では本を見つけるチャンスもないまま再び出会ったのがお気に入りのサイト経由で知ったこちら、岸見さんのブログでした。

心理学のことを書かれた本に助けを求めてという姿勢では解決出来ることは少ないと思いますが、指針とするのには何か必要だと思います。アドラーの説いている考え方が好きだなと思いました。が、ようやく分かりかけてきたような気になれたのが岸見さんの今回の『アドラー 人生を生き抜く心理学』でした。

少し前に2冊読ませていただいているのですが何も知識のないところからアドラーをまず知ることが必要で、書いてあることの意味を私の生活と照らし合わせてみて理解しようとすると長年身についた物事の受け取り方を転換しなければならず簡単な日本語なのに文章がすんなりと理解できなくて困りました 笑)

今回は経験したことに近い例があり、とても分かりやすく感じました。ただ、読んで印象深く受け取ったにもかかわらず時間が経つと忘れていることに気付き、若い頃との違いを感じガックリくることもしばしばです。軽い本ですし、常に携帯して忘れたら開けばよいと思っています。

また、岸見さんの日記でお父様との関わりの中でご自身も葛藤されておられる姿を拝見すると、完璧でなくともよい、葛藤はあって当たり前なのだと思いなおして良いと思える方法はしっかり身につけなくはというカチコチになりがちなな気持ちがふとほぐれます。

拙い長文で失礼しました。ありがとうございます(^^)

投稿: hanayuki | 2010年4月22日 (木) 11時13分

hanayukiさん
 もう前から知ってくださっていたのですね。今度の本は僕にとっての最初の著書と同じ出版社から10年ぶりに出す本で、続編という位置づけもしていますが、アドラー心理学の紹介という枠を越え、自分のことをずいぶんと話してしまったように思います。この間、我が身にふりかかったことをそれが起こらないようにする力は僕にはありませんでしたが、どんなふうに立ち向かったか、向き合ってきたかという具体的な話をすることはできたかと思います。
 言葉はやさしいですが、いわれるように少しばかり常識とは違った考え方をしますから慣れないとわかりにくいかもしれません。表向きの言葉だけを読むのなら簡単かもしれないのですが。
 自分の病気のことや父のことを書き過ぎかと思うくらい書きましたし、このブログでも書いています。最初は父の病気のことははっきり書きませんでしたが、介護初心者の僕がここに父とのことを書くとたくさんの方(長く介護をされている方々)からコメントをいただいたり、メールなどをいただきました。不完全なところを見てもらうのも少しは役立てたのなら望外の喜びなのですが、まだこれからも続く父との暮らしが方向性が見えるものになるよう苦闘のドキュメントを書いていくことになります。その基礎には、あるいは、北極星のようなアドラー心理学があるというのは本当です。子育ても介護も「研究」の対象として関わらないできたことは幸いでした。
 ありがとうございました。

投稿: 岸見一郎 | 2010年4月22日 (木) 14時55分

ありがとうございます。北極星ですね。迷った時、迷いそうになった時のアドラー心理学。これからも少しずつ理解を深めて行きたいと思います。シンプルな幸福論、また読んでいます。人生を生き抜く心理学も楽しみです。

投稿: hanayuki | 2010年4月22日 (木) 18時22分

hanayukiさん
 お休みの貴重な時間を割いて本へのコメントを書いてくださってありがとうございました。読者からの声がダイレクトに伝わるのは嬉しいです。

投稿: 岸見一郎 | 2010年4月22日 (木) 21時10分

お父様が大変なときですが、無理をなさらないようにして下さい。

「アドラー心理学 シンプルな幸福論」、読ませていただきました。

とくに第4章「老い、病気、死との向き合い方」での、“老いの自覚がもたらすもの”の内容は、今の自分(46歳)に当てはまる所があり、ドキッとしました。自分を過小評価することになり、そのことは強い劣等感を生む。今も完全に払拭できたかと言えば、出来ていないかもしれません。

本書の中に、内村鑑三氏の「後世への最大遺物」について、引用をされた所がありました。自分も内村鑑三氏が残された「一日一生」という言葉が好きです。自分なりに少し加えて「一日一生、一日一笑」で毎日を過ごせるようにと考えています。本書には、城山三郎氏も出てきましたが、城山氏もこの内村鑑三氏の「一日一生」という言葉を好み、サインをされる時に用いていたと聞いています。
同じ世代で、今年、プロ野球の工藤選手が同様の意味で、「前後遮断」と言われています。
また、北条民雄氏の「いのちの初夜」は、フランクル氏の「夜と霧」に“生きる”と言う事に関して、共通するところがあると感じています。
鶴見俊輔氏は存じなかったのですが、「九条の会」を発起されたお一人と知りました。九条は守りたいですね。理由は、どんな天才であっても失敗を経験しないと理解できない事はあると考えているためです。アインシュタイン氏は最初、原爆の製造、利用を認めていましたが、広島、長崎の惨状を見て後悔したと聞きます。日本でも福澤諭吉氏は日清、日露戦争を否定はしていませんでした。非戦論者でも著名な内村鑑三氏も、日清戦争当時は戦争を否定していませんでした。そこで、九条で非戦を明確にしておくのが良いと考えています。

横道に逸れてしまって、申し訳ございません。本書を読ませて頂いて、先生と似た考え方を持てているかもしれないと嬉しく感じたりしました。しかし、実際の自分の生活では、よく生きていない事も多い事実があります。この点は、まだまだなのだと感じております。

それでも、あまり悲観的にはならず、与えられた自分の中で、よく生きるように自然に努めていければ考えています。
ありがとうございました。

投稿: Endo | 2010年5月 4日 (火) 09時04分

Endoさん
 ありがとうございます。心筋梗塞になって4年経ちました。いつまでも病気の話をするのは、人生の課題から逃れるためではなく、いつも自分がいつなんどき死ぬかもしれないことを忘れないためです。病気による急激な老化と死の怖れを経験して学んだことを書きたいと思いました。その後も迷うことはありますが、今は日々充実感を持ち、深刻にならず、楽しく生きています。

投稿: 岸見一郎 | 2010年5月 5日 (水) 22時23分

コメントをありがとうございます。

「アドラー人生を生き抜く心理学」を読み始めております。

できれば読んで得たことを実行できるようになろうと思っています。

投稿: Endo | 2010年5月 8日 (土) 11時03分

Endoさん
 先に読まれた本とは違う切り口で書きました。
 哲学も心理学も、ただ覚えたり、理解するものではなく、それによって生き方が変わるようなものです。僕も実践したいといつも思っています。

投稿: 岸見一郎 | 2010年5月 9日 (日) 20時38分

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