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2009年10月18日 (日)

天気がいいので

 土曜は恒例の読書会。始めてから4年目。父はこの日朝からデイサービスに出かけていたので、帰ってきたのは後一時間で会が終わる時だった。一日早かったが父の誕生日を皆で祝う。デイサービスではお祝いの品をいただいてきた。81歳。
 今日はそんなことがあったことを少しも覚えていないように見えた。デイサービスの次の日はいつも疲れるようで、朝食後9時頃から眠る。その間、僕はカメラを持って出かけた。思いがけず、今年は諦めていた浅葱斑を見かけた。藤袴が咲いてないのに一体、と思った途端、藤袴が咲いているのが目に止まった。思うようには写真を撮ることはできなかったが、出会っただけで満足だった。ほどなくこの地から旅立っていくのだろう。
 帰った時も父はなお深い眠りの中にあったが11時頃起きてきた。
 「天気がいいので、ちょっと歩いてくる」
 夢の中で父は歩いていたのだろう。そのまま現実の世界に戻ってきたように見える。もちろん、父は今は一人で外を歩くことはできない。行ってらっしゃい、と答えたらよかったかもしれないと後になって思ったが、父がいいだしたら本気なので、それなら車椅子で外に行こうか、といったとたんに父の夢は潰えた。
 新しい翻訳の見本刷りが届いた。『性格の心理学』(アルフレッド・アドラー)。父がこちらに帰ってから二冊目の仕事である。父に見せようかと思ったが、止めた。

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コメント

 なぜ,お父さんに見せるのをやめられたのか,知りたいのですが。

投稿: srimati | 2009年10月18日 (日) 18時14分

srimatiさん
 深く考えずに、本を出版したといえばよかったのですが、「高校生のための心理学入門」を見て自費出版したのか、と答えたということがあって、僕のしている仕事をわかってもらってないと思ってがっかりしたのでした。素直ではないですね。

投稿: 岸見一郎 | 2009年10月18日 (日) 18時30分

 オヤジ本気だな、となるまで吃音ショートコースで教わったこと日々実践しています。
周りはともかく自分自身、楽になりつつあると言うか、何かしら肩の荷がおりるような気になりつつあります。
肩の力を抜いてこれからも、と思っています。
 先生の著作読みながら、あの三日間のこと、感慨深く思い出しています。
私にとって奇跡のような三日間でした。

投稿: bata | 2009年10月24日 (土) 09時39分

betaさん
 奇跡のような三日間といってもらえるとうれしいいです。二週間、経ちましたね。折に触れて思い出します。

投稿: 岸見一郎 | 2009年10月24日 (土) 20時43分

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