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2009年9月23日 (水)

今のうちに帰り

No one day can be the same

 今日はデイサービスの日だったので、9時に送り出し、4時まで家に帰ることができた。もっとも昼から疲れてしまって長く寝てしまったのだが。
 夕方、疲れ果てて父が帰ってきた。夕食まで眠る。食事後、ぼんやりしていたが、不意に、「雨降っているのか」とたずねる。「今は降ってない」と答えると、父はいった。
「今のうちに帰り。気をつけてな。わしも寝る」
 父がこんなふうにいったことには本当に驚いた。普通の会話だと思う人もあるかもしれないが、父は自分がどこにいて、なぜここにいるかがわからないことがある。父が回復するとすれば、忘れていた過去のことを思い出すとか、今し方したことを忘れなくなるというようなことではない。日曜日に父が「前はうちになかったな」とコーヒーメーカーを見ていったことも、今日の発言も自分がいる場所を認識できているということの証左であり、回復の兆しである、と思った。たとえ、これが長続きしないとしてもである。

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コメント

50回目のファーストキスという映画をTVで見ました。事故で短期記憶が長期記憶に集積されることができなくなった女性をめぐるストーリー。出会って恋をしても、一夜明けると事故の日の記憶以降は、消滅してしまうという。
人格のように感じているものが高機能な脳のしくみの積み重ねの上にあるのだと思うと、老化のさまざまな現象や、他者に対する思いも、感情から分離して受け入れられるのかもしれないなって思えたりも。

投稿: Rose | 2009年9月24日 (木) 10時04分

Roseさん
 父といて思うのは、脳の病気なのだ、とわりきれれば何が起こっても、父の人格とは何も関係ないと思えるのでしょうが、回復することを願っているので、そのようにわりきることが難しく感じられることもあります。日記に書いたようなことがあると、驚くのですがやはり嬉しいのです。

投稿: 岸見一郎 | 2009年9月24日 (木) 12時51分

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