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2009年4月16日 (木)

父の笑い

 この数日、大きな仕事の追い込みで、父と一緒にいても気も漫ろで父には申し訳なかった。もちろん、食事の用意と服薬管理は欠かすことはないのだが。昼間は暑いくらいなのに、朝晩が冷える日が続き、父は少し体調を崩したように見える。熱がないので風邪ではないと思うのだが、部屋に寝に行く回数と時間が長いと心配で、部屋をのぞいたりしたものだった。
 父がふいに大きな声で笑う。考え事をしている時は、本当に驚くのだが、何がそんなに面白いのだろう、と思ってたずねてみた。
 「鳥が二羽追いかけっこをしてるんだ。でもどうしても追いつかない。その様子がほほえましかった」
 アドラーは笑いは人と人を結びつける情動だといっているが、こんな話をしている瞬間は、目下の事態が予断を許さないものであっても、先のことを考えることから起こる憂いから解放される。
 毎日父の家にたくさんの本を持って行く。また持ち帰っても家では疲れて本を開けることもできないほどの時もあるのだが、結局、大抵の本は持ち帰る。今の原稿を編集者に送れたら、少しの間だけでも、仕事絡みではない本を読んでゆっくりできたら、と思うのだが、貧乏性の僕にはそんなことはできないのだろう。

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