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2009年3月16日 (月)

忘れていることは

2009年3月16日月曜日
 朝、第一日赤受診。息子に父の介護を8時半に代わってもらう。これから病院に行ってくる、と父にいうと、どこに行くのか、どこか悪いのか、とたずねる。もう何十回も繰り返した説明をする。
 前回受診時に問題になったLDLコレステロール値は正常範囲におさまったが、100以下にするために既に飲んでいるリバロに加え、ゼチーアが処方された。
 訪問看護の後寝てしまった父が思い詰めた表情をして起きてきた。
 「チロはどこにいるのだ」
 チロは父が長く飼っていた犬で、こちらに戻ってきた時、一緒にやってきたのだが、父の入院中から妹のところにあずかってもらっている。退院して3週間目に入ったが、一度も犬のことを口にしないので、僕もあえていわなかったのである。
 「そうか、元気にしているのか」
 もうこちらにくることはない、といった。実際、僕の手に余るからだが、再会したら父は元気になるのかもしれないとも思う。
 父はいう。
 「どうも夢と現実がこんがらがって混乱している」
 「そうみたいだね。前のことで忘れていることもあるようだし」
 「いや忘れていることは思い出さなくてもいいのだ」
 「それでは思い出したいことがあったら話すということでいい?」
 「そういうことにしよう」
 そういう話をした上で、いくつか昔の話をすると、そんなことがあったのか、とあたかも前世の話をしているような気になる。ともあれ、少しずつ縺れた糸をほどく手伝いはできるだろう。退院して3週間目、少し落ち着いてきたように見える。

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