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2009年3月 6日 (金)

それで安心した

my father's favorite bird ...

 父は退院してからは以前と違って食後あまり長くすわってられなくて、寝室に戻ってしまう。眠いのか、とたずねると、そうではなくて起き上がっているのがしんどいのだという。取り残されたような僕は帰るわけでもなく、仕事を始めるのだが、父と二人いるとひどい閉塞感に襲われる。用事があっても、最短の時間で帰る。2時間は寝るだろうと思っていても、ふいに起きてくることがあるからだ。
 今日もそうだった。思い詰めた表情をしていた。まあ、ここにすわって、といつものソファーにすわらせ、それから長い時間父と話をした。入院が長かったこともあって、少し混乱している。縺れた糸をほぐしていくように疑念を解いていった。
 「そうか、それで安心した。ここは私の家なのだな」
 そういって父は再び深い長い眠りについた。起きてきた時、こんなによく寝たことはなかったという。自分が今どこにいるかということは生きる時の根本である。
 百舌がよくやってくる。父はこの鳥がくるのをいつも見ている。
 昼から訪問看護。清拭と足湯をしてもらう。気持ちがよかったのか寝てしまった父親の横で看護師さんと話をする。緊迫した僕の心が緩んだ。

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