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2009年1月21日 (水)

月を踏む

reflecting the setting sun ...

 過日帰省していた息子が内田百けん(「けん」は門構えに月)のことを話していたのが記憶に残っていて、『百鬼園随筆』(新潮文庫)を読んだところ、軽妙で諧謔に満ちてはいるが、何の落ちもなく突然終わるといういささか興ざめの随筆であることを知ったのになお本を置くことができないのはなぜかはわからない。
 久世光彦の小説を読んで内田の小説を読んでみようと思った。ちくま文庫にある『内田百けん集成』は24冊もあることに驚いた。とりあえず、久世が『美の死 ぼくの感傷的読書』(筑摩書房)で取り上げている「サラサーテの盤」を読んだ。全巻読破することになるかもしれない。困ったことだ。
 久世の『百けん先生 月を踏む』(朝日文庫)は、内田が借金取りから逃れて逗留している寺の小坊主である果林(久世の分身だと解する評者もいる)の目を通して描かれた内田へのオマージュ。
 「私ハ、イツ死ヌノダロウ。<ちごいねるわいぜん>ヲ聴キナガラ、ソレバカリ過考エル」(p.249)
 私は死ぬのが怖くなると小説を書く、と内田に語らせた久世は第5章の途中まで書いて急逝した。

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コメント

幻想的でステキな写真ですね。着物か帯の柄に・・と勝手に想像してしまいました。
私は時々見る雲ひとつない漆黒の空にまん丸と光るお月様に出会いますと、このお月様を見ているすべての人が平安でありますようにと祈ってしまいます。

投稿: shoko | 2009年1月22日 (木) 08時22分

shokoさん
 夕日が雲に映えてこんな色になっているところに東の空に月が昇ってきました。病院からの帰り道で撮りました。

投稿: 岸見一郎 | 2009年1月22日 (木) 08時51分

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