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2008年12月16日 (火)

そういわれたら何も

a quiet life ...

 これも父と散歩していた時に撮った。後で、父に見せたら喜んでいた。ここには鷺だけでなく、この情景を見ている父と僕が、少なくとも、僕と父が共に過ごした時が写し込まれている。
 この頃、霧がひどく寒い。霧は昼前にようやく晴れる。寒いと父は外に出ようとしない。いい天気になったので散歩に誘ったが、いいわ、と断る。朝から一度も父はこちらに一緒に越してきた愛犬を見ていない。
 父が食事を終えた後、帰ろうとした時、父は思い詰めたような表情でいう。
 「明日はデイサービスには行かないでいこうと思う。私は人と関わるのが苦手で、行っても何をするわけでもなく、退屈なのだ」
 「でも、昨日、そのことでデイサービスの管理者がこられたのを覚えていると思うけど、その時、今の話を聞いてもらったから、考えてもらっていると思う」
 「前に住んでいた時は、将棋をする人がいたのだ。私はほとんど知らなかったが、教えてもらった。懐かしい」
 「同じようにデイサービスにきている人に将棋を教えてもらおうという話になったね」
 「そうだった」
 「明日行かなかったら、僕は大学で講義する日だから長い時間一人で過ごしてもらうことになる。心臓のことが心配で病院にあるデイサービスにいってもらうことにしたのだけど、一人でいると思ったら心配で、心配で仕事にならない」
 「わかった。お前にそういわれたら何もいえない」
 僕は間違っているかもしれない。父が家にいたいというのなら、そうしてもらってもいいのではないか、と今日の父とのやりとりを思い出しては考え込んでしまう。介護認定が降りる前の先月、昼食と夕食を用意しておいて朝から夜まで一人で過ごしてもらったこともあったのに、父との暮らしが長くなった今はとてもそんなことはできないと思う。電話があっても姫路からはとても駆けつけることができない。
 
 父の家に昼間に行くことの問題はインターネットに接続できないことだったが、アドエス(Advanced/w-zero3[es]僕のはWS011SH)をモデムにすることにようやく成功したのでこの問題は解決した。これでMacBook Airが生き始めた。正式のmac用のモデムドライバはないのだが、書いた人があるというのは驚き。メーカー保証はないが、問題はなさそうだ。

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コメント

 海の近くではないのに霧が多いということは、盆地なのでしょうか?
 私の家は海から1㎞しか離れていないので、海霧に包まれることがあるのですが、まるで海水に包まれているかのような海の香まで運ばれてきます。
 岸見さんの霧はどんな香りがするのでしょうか?

投稿: フィン・カ・ビヒア | 2008年12月17日 (水) 23時31分

 嗅覚は敏感な方ですが、自然について問われると意識していなかったことにいつも気づかされます。
 こちらは盆地で、霧がよく出ます。電車で10分ほど京都市内に向けて行けば、こちらが濃霧でもからりと晴れますから、損をしたような気になります。

投稿: 岸見一郎 | 2008年12月18日 (木) 10時39分

日記を読んで心がズキンとしました。(曖昧な表現ですみません)  私も親に言ったことが本当にそれでよかったのかいつも悩んでしまいます。

投稿: そらまめ | 2008年12月19日 (金) 22時47分

 自分が親として子どもに、子どもとして親に対する時にいつもそんなふうに迷わない時はないといっていいくらいですね。

投稿: 岸見一郎 | 2008年12月19日 (金) 23時09分

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