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2008年12月26日 (金)

少し休みたい

the world looks different ...

 朝、吹雪の中、父の愛犬を世話するために田んぼの畦道、川の土手を歩く。父が帰ってこないことに気づいているのだろうか。
 昼から病院へ。父は僕がいってもうつらうつらしている。時々、話しかけてくる。正月は帰りたいというが無理である。主治医の説明では一月いっぱい入院することになりそうである。
 「どうしてもだめか」
 「うん、だめ。歩いても息切れがしなくなったら帰れるから、それまではしっかり治していこう」
 こんなふうにいってみたが、一月の入院は僕の場合は非常に長く感じられた。
 病院であればたくさんの人の目があり、常時心電図はモニターされており安心であるというのは本当である。それに毎食用意するのはこの二月僕にはかなり負担だったので、その分楽になった。たとえてみれば、後一滴でも水を注げば溢れ出すコップのようになっていたので、この機会に身体を休めることができたらと思う。
 主治医の詳細な説明のすべてが理解できたとは思わないが、説明の内容を整理し、なお不明な点を調べたら、父の症状についていろいろと見えてくるものがある。
 入院することになった日のことを思い出した。入院が決まった時、既に1時を回っていた。外来の看護師さんで、今からだと夕食まで何も食べられないから、売店で何か買って食べさせてあげなさいといってくれた人があって、売店でサンドイッチ(おにぎりを所望していたが売り切れていた)とお茶を買ってから病室に入った。父は三切れあったサンドイッチの一切れを「お前、食べろ」といった。空腹なのは自分だけではないことに思い当たったのである。
 息子が帰ってきた。

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コメント

この頃ずいぶんとお疲れになっておられるなぁと心配しておりました。
これは神様が先生に少し身体を休めなさいとおっしゃっているのだと、ゆっくりされれば良いなぁと思います。

お父様がおっしゃった>三切れあったサンドイッチの一切れを「お前、食べろ」といった。どんなときでも親である事はしっかりとしておられるのですね。思わずうるっとしてしまいました。
どうぞ、あまりご無理をなさいませんように。

投稿: shoko | 2008年12月27日 (土) 08時55分

shokoさん
 ありがとうございます。自分の身体のことも考えないといけないですね。入院になることは予想していましたが、この間の外来の後すぐに入院になるとまでは思っていませんでしたから、準備などで疲れてしまいました。父は若い頃は怖かったですし、よく怒っていましたが、好々爺になりました。父が引っ越しの際持ってきたわずかな本は僕の著書や翻訳で、棚に並べてあるのを見て何ともいえない気持ちになりました。今は本を読むのも難儀するというのに。

投稿: 岸見一郎 | 2008年12月27日 (土) 18時11分

今しばらくの間、先生のお身体をいたわって下さいね。介護はまだまだ続きますよ。お姑さんは今は介護施設でお世話になっていますが、認知症だと診断されてから、6年がたとうとしています。

投稿: おりひめ | 2008年12月27日 (土) 22時58分

おりひめさん
 ありがとうございます。短距離走のように全力疾走しては、フルマラソンを完走できませんね。他に誰が介護ができるだろう、と自分を追い詰めるようなところがあっていけません。

投稿: 岸見一郎 | 2008年12月27日 (土) 23時05分

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