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2008年11月17日 (月)

何も変わらない

your twittering makes me cheerful ...

 霧の朝、ホオジロのさえずりが聞こえてきた。
 今日は余力があると思っていたが、父の食事を用意して、帰ってから夕食を作ったらぐったりという感じである。父は今日は食後自分の部屋に戻らず、新聞を読んだりしていたので、僕も帰らず同じテーブルで仕事をした。朝と昼、二度散歩をした。
 ロビン・ウィリアムス主演の『パッチ・アダムス』を見た感想を本の中で書いたことがあった。過日の近大姫路大学での講義の中でも紹介した。映画の中でパッチ・アダムスが、患者に名前を呼んで話しかける場面があった。回診の際、カルテを見ながら、教授が症状について説明しても、患者は気難しい顔をしていた。しかもこの先悪くなるだろうという話ばかりなので不安な表情でもあった。アダムスが、「この患者の名前は?」と問うた時、症状については詳細に説明できるというのに、誰もすぐにはその問いに答えることができなかった。アダムズは患者に名前をたずねた。そして、その名前を呼んで挨拶するだけで患者の態度が変わった。
 家族が病気になって、パーソン論でいうところの「人格」「生命権の主体」でなくなるとしても(パーソン論は多くの問題を孕んでいる)、それまでと何かが変わるわけではない。
 「要は気力の問題だ」と父はいう。それを父がどう引き出せるか。それを僕をどう援助できるのか。
 最近父が使う語彙の中で一番多いのは「ありがとう」である。

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コメント

先生とお父様の、ほのぼのとした日常が、心温まります。ありがとうと言う言葉は、深く心の奥に響きます。私も病気になってから、この言葉を特によく使います。今言っておかないと、もう言えないんじゃないかと思うから・・両親には大切に育ててくれてありがとう。主人には、養ってもらってありがとう。もっと歳をとったら、今度は子供に・・・

投稿: おりひめ | 2008年11月18日 (火) 19時53分

 期待しているわけではないのですが、父にありがとうといわれると気恥ずかしくもあり、嬉しくもあります。

投稿: 岸見一郎 | 2008年11月18日 (火) 21時01分

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