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2008年11月27日 (木)

逆転可能

panta rhei ...

 今日は父は元気がなく、持って行った新聞に目を通そうともせずぼんやりしていることが多かった。それでも昼から長い時間寝た後は少し元気になった。3時半頃起きてきて、よく寝てたというと、いつもは寝た気がしないというのに、そうはいわなかったから本当に熟睡できたのだろう。少し散歩。昨日、途中で一度転倒したので目が離せない。看護師さんの前では力強く歩いたのに、歩幅が狭く背中が丸くなってしまっている。暖かい日であれば長く歩くのだが、寒いとなかなか外に出ても早く帰ってしまう。
 これも火曜日に見た虹の写真。25日の日記に載せた虹の写真を父に見せた。一緒に虹を見た時のことを覚えてくれていた。少し前のことも思い出せない最近の父が二日前のことを覚えていたのである。物忘れは誰でも多かれ少なかれ経験するが、ずいぶん前から物忘れがひどいことを訴えていた(『アドラーに学ぶ』p.107)。これが器質性のものなのかはわからないが、昨日の講義では父のことを念頭に置きながら、28歳で多発性硬化症に罹患したチェリストのジャクリーヌ・デュ・プレの話をした。ある朝、目覚めたら両腕とも使えることに気づいた。この回復は四日続き、その間に何曲か記念すべき演奏を録音している(『アドラーを読む』pp.144-5)。レインは器質性の損壊はが(元の状態まで回復しないということ)と考えられていることの反証としてこのケースを引いている。
 父に認知症の検査をした医師はさらなる悪化を予言したが、改善に向けて援助したいと考えている。
 父が今暮らしている家は僕が生まれ育った家である。最初の頃は父の家に通勤しているような気がしたが、この頃は少し前に住んでいた時の感覚が蘇ってきたのか居心地がよくなってきた。行ったり来たりすると疲れるということもあるが、今日は長くいてずっと仕事をしていた。父の家からはインターネットに接続できないので、それだけは不自由している。父とずっと話をしているわけではなく、時折言葉を交わすくらいだが、一緒にいるだけでも父が少しでも安心してくれているのならいいのだが。

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