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2008年10月16日 (木)

子どもの自信をはぐくむ(2)

(『みんなおおきくなあれ!じゃんぷ』Benesse、2003年3月号)

Q1
 園で鉄棒をやっているのですが、運動が苦手な娘は「怖い」「どうせできない」と思い込んでしまい、練習をいやがっています。もう少し頑張ればできると思うのですが、どんなふうに励ませばいいのでしょうか?

 「できる」「できない」ではなく、挑戦する姿勢を認める

 娘さんが「どうせできない」と勇気を出せないのは、親や園の先生が望んでいる結果を出せないことが怖いからです。親がいくら「もう少し頑張ればできるから」といっても、本人は「もしできなかったら、自分の評価がもっと低くなる」と感じてしまい、挑戦することを回避しているのです。
 「自分が今持っている力の中で、最善を尽くすことができること」こそが本当の強さであり、それが自信につながるのだと思います。
【付記】「もう少し頑張れば」できるという可能性を残しておきたいのです。結果ができるのは怖いですから。もう少し頑張ったらできるのに、というような言葉は私ならかけません。

Q2
 「小学校入学前には書けるようになってほしい」と思い、ひらがなの練習をさせていますが、やる気を出してくれません。励まし方がわからないので、ついついイライラして「何でできないの!」と叱ってしまい、子どもはすっかり自信をなくしてしまいました。

 自発的な「やる気」が生まれるまで待つ
 親が「ひらがなが書けるようになってほしい」と思っていても、子どもは、まだ「書けるようになりたい」と実感していないのではないでしょうか。まだ、やる気になっていないうちから練習をさせられていると、子どもは勉強が嫌いになってしまうかもしれません。親の焦る気持ちもわかりますが、大人だって誰かに無理矢理やらされる課題は苦痛なものです。
 大切なのは、まず子ども自身が「ひらがなが書けるのって楽しそう」「できるようになると便利かも…」と思う自発的な気持ちです。「書けるようになりたい」という意欲が生まれるまで、待ってみてはいかがでしょうか。
【付記】 いや、待てないという人は多いのです。手遅れになるから、と。そうでしょうか。いやがる子どもにあなたのためを思っていっている、とか、今はつらくても後であの時頑張っておいてよかったと思える日がくる、というようなことをいってないでしょうか。これらは本当は、子どものためではなく、親の(子どものではなく、ということです)焦る】焦る気持ちを解消するために、子どもを強制しているように思えてなりません。
 ある指揮者の書いたエッセイを読んだことがあります。その人は高名な指揮者の子どもだったのですが、中学校三年まで音楽にまったく興味を示さず、楽譜も読めなかったのです。ところが、突然、父親のような指揮者になりたいと思って、担任の先生に芸術系の高校に進学するといいました。先生は一笑に付しました。あの学校は小さい時からピアノを弾けないといけないのだ、君は楽譜も読めないではないか、と。しかし、その言葉にめげることなく、彼は父親の援助も受けて、音楽を一から猛勉強をし、その高校に合格し、後に芸術大学の指揮科に入りました。
 何事も遅すぎるということはありません。

子どもの自信をはぐくむ(3)に続く。

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